お葬式では、親しい間柄でない限りは、遺族に挨拶するのは控えます。
あなたが参列したということが、弔意を表したということになりますので、無理に遺族を探して声をかける必要はありません。遺族と親しかった場合でも、長話をするのは控えましょう。
遺族にゆっくりとお別れをさせてあげるためにも、お悔やみの言葉は、手短に述べるのが基本です。
これは、最も配慮に欠ける行動です。くれぐれも悲しみを増長させるような言動は控えましょう。
また、遺族の感情に訴えるようなオーバーな表現も慎みましょう。
お葬式では、お知り合いに会うこともあるかと思いますが、仕事の話や近況など、世間話をするのはマナー違反です。お葬式の場所は、同窓会ではありません。
遺族への最低限のマナーとして、私語は斎場を出た後からにしましょう。
大きな声を出している方もたまに見受けられますが、場をわきまえていないと見られてしまいます。
参列者は通夜振る舞いをとらない地域もありますが、通夜振る舞いには、故人への供養の意味があります。
通夜振る舞いへ促されたら、箸を付けるだけでも構いませんので、お断りしないようにしましょう。
また、「食事」ではありませんので、 あまり長居をしないようにしましょう。
静かにしていられる年齢であればかまわないのですが、ぐずりやすい年頃の小さなお子さんは、近しい親戚でない限り、通常は同席させません。
可能な限り、身近な方などに預かっていただくようにしましょう。
キリスト教の場合、天に召されるという考え方ですので、お悔やみという考え方はしません。
「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」という言い方が一般的です。
宗派により回数が決められています。
宗派の異なる仏事に参列する場合は、自分の宗派の作法で行っても礼を失することはありません。また、弔問者が多数の場合は、丁寧に1回焼香するようにします。
マナーとして、焼香がスムーズに進むよう心がけましょう。
和室で回し焼香の場合は、香炉が自分の所に回ってきたら香をたき、次の方に香炉を回してから合掌します。
火葬場などで、立って焼香する場合は、香をたき終わったら同じ場所で合掌せず、
右か左(二列の時、右側の人は右、左側の人は左)に二歩位斜めに下がりそこで合掌します。
上段に書いてある、用途に関しては、「御霊前」が最もポピュラーです。一応、全宗教のお葬式で使える表書きとなっています。注意として、「御仏前」というのはお葬式ではなく、四十九日の法要から使う表書きなので間違えないようにしましょう。
下段には、名前をフルネームで記入します。この時に、「薄墨」という、通常の筆ペンよりも薄い色のものを使って書くようにしましょう。薄墨は悲しみの涙で文字が滲んでいるという気持ちを表わすとされています。
また、裏側の折り方にも注意してください。
慶事とは逆で、先に下側を折って、次に上の折りを重ねます。返しが下に向くことで悲しみを表しています。
裏側に名前や金額を書く欄がある場合は記入します。
香典袋は、水引が印刷されたものから豪華な水引きがついているものなど、多くの種類が売られていますが、目安としては、香典金額が5,000円くらいまでは水引が印刷されているシンプルなものを使い、10,000円以上の場合は、実物の水引がかかっているものを選びましょう。
蓮の花が印刷された香典袋も多く見かけますが、これは神式やキリスト式のお葬式では使いません。仏式のときだけ使用するようにしましょう。
宗教や儀式の意味によってお香典の表書きは違います。
間違えてしまうと失礼に当たることもありますので注意しましょう。
「御霊前」が、全ての宗教・宗派の葬儀で使用可能とされていますので、不安なときは「御霊前」としておくのが良いでしょう。
表書きの書き方例
仏式の場合 | 御霊前・御香典・御香料 |
神式の場合 | 御霊前・御玉串料・御神前 |
キリスト式の場合 | 御霊前・御花料・献花料 |
無宗教式の場合 | 御霊前 |
表書きは、普通の墨で書きましょう。
また、御布施を僧侶に渡す時は、小さな盆などにのせて渡しましょう。手渡しや、床に直接置く事は失礼になります。
不祝儀袋を使う場合は、仏式以外では、はすの模様入りを避けるようにしてください。
「御礼」が、どの宗教でも使用可能とされていますので、不安なときは「御礼」としておくのが良いでしょう。
表書きの書き方例
仏式の場合 | 御礼・御布施・読経料・御回向料など |
神式の場合 | 御礼・御祈祷料・御祭祀料・御榊料・御神饌料など |
キリスト式の場合 | 教会へは、献金・記念献金・感謝献金・ミサ御礼・御ミサ料など 神父や牧師には、御礼とする |
香典(不祝儀)はスーツのポケットやカバン、裸で持参するのではなく、「地味な袱紗(ふくさ)」に包んで持参します(袱紗をお持ちでない場合は、今後も使用すると思いますし、それほど高価なものではありませんので、購入しても良いと思います)。
受付で、
「このたびはご愁傷さまでございます」
「さぞかし、お力落としでございましょう」
「心からお悔やみ申し上げます」
などとお悔やみの言葉をかけ、袱紗から香典(不祝儀)を取り出し、表向きの名前を受付の方に向けて渡し、会葬者名簿に記帳します。
また通夜の場合、受付が設けられていない場合がありますので、その場合は祭壇に供えます。
遠方にお住まいの場合などで、「通夜・葬儀・告別式」、いずれにも会葬(参列)出来ない場合は、弔電を打ち、香典(不祝儀)を郵送しましょう。
香典を郵送する場合は、金銭を直接、現金書留に入れて郵送するのではなく、金銭を「不祝儀袋(香典袋)」に入れて、その不祝儀袋を「現金書留」に入れて、「喪主宛て」に郵送しましょう。
また、現金書留に住所や氏名が書いてありますが、不祝儀袋(香典袋)にも通常通り、「中袋の住所・氏名・金額」などを書きましょう。
※香典を郵送する場合は、一緒にお悔やみの言葉を書いた手紙を添えると良いでしょう。
※香典を郵送することは失礼にあたりませんが、友人・知人など、他の弔問者に預けるのは失礼にあたりますので注意しましょう。